木曽の最期品詞分解現代語訳敬語助動詞

原文

今井四郎軍しけるがこれを聞き、

今井四郎
「今は誰を庇はんとてか軍をもすべき。

これを見給へ東国の殿原。日本一の剛の者の自害する手本」

とて、太刀の先を口に含み、馬より逆さまに飛び落ち、貫かつ失せにける。
さてこそ粟津の軍はなかりけれ

現代語訳

今井四郎は目の前の敵と戦っていたがこれ(石田次郎為久が木曽殿を討ち取っがこと)を聞き、

今井四郎
「木曽殿がうたれてしまった今となっては誰を庇うために戦おうというのか。これをご覧あれ。東国の方々よ。日本一の剛の者が自害する手本だ」

といって、太刀の先を口にくわえ、馬から逆さまに飛び落ちて、

自分の太刀に貫かれて死んでしまった。

こうして粟津の合戦は(戦いらしい戦いも)なかった。

ポイント

  • 係り結び オレンジのマーカーです
  • 尊敬語 緑のマーカーです。

品詞分解

今井四郎 名詞
名詞
サ行変格活用動詞「す」連用形
ける 過去の助動詞「けり」連体形
接続助詞
これ 代名詞
格助詞
聞き カ行四段活用動詞「聞く」連用形
「今 名詞
係助詞
代名詞
格助詞
庇は ハ行四段活用動詞「庇ふ」未然形
意志の助動詞「む」終止形
とて 格助詞
係助詞(係り結び)
名詞
格助詞
係助詞
サ行変格活用動詞「す」終止形
べき。 意志の助動詞「べし」連体形

「か」結び

これ 代名詞
格助詞
マ行上一段活用動詞「見る」連用形
給へ ハ行四段活用動詞「たまふ」命令形尊敬語補助動詞今井四郎兼平→周りの人(東国の殿ばら)なさる
東国 名詞
格助詞
殿原。 名詞
日本一 名詞
格助詞
名詞
格助詞
名詞
格助詞
自害する サ行変格活用動詞「自害す」連体形
手本。」 名詞
とて 格助詞
太刀 名詞
格助詞
名詞
格助詞
名詞
格助詞
含み マ行四段活用動詞「含む」連用形
名詞
より 格助詞
逆さまに ナリ活用形容動詞「逆さまなり」連用形
飛び落ち タ行上二段活用動詞「飛び落つ」連用形
貫かつ ラ行四段活用動詞「貫かる」連用形「貫かり」促音便
接続助詞
係助詞(係り結び)
失せ サ行下二段活用動詞「失す」連用形
完了の助動詞「ぬ」連用形
ける。 過去の助動詞「けり」連体形

「ぞ」結び

さて 接続語
こそ 係助詞(係り結び)
粟津 名詞
格助詞
名詞
係助詞
なかり ク活用形容詞「なし」連用形
けれ。 過去の助動詞「けり」已然形。

「こそ」結び

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