いとはしたなければ、 「立ち交じり、数ならぬ身の、

いささかのことせむに、神も見入れ、

数まへたまふべきにもあらず。帰らむにも中空なり。

今日は難波に舟さし止めて、 祓へをだにせむ」

とて、漕ぎ渡りぬ。

国の守 名詞
参り ラ行四段活用動詞「参る」連用形 謙譲語 本動詞 作者⇒御社 参上する
接続助詞
御まうけ 接頭語+名詞
名詞
格助詞
大臣 名詞
など 副助詞
格助詞
参り ラ行四段活用動詞「参る」連用形 謙譲語 本動詞 作者⇒御社 参上する
たまふ ハ行四段活用動詞「給ふ」連体形 尊敬語 補助動詞 作者⇒大臣など ~なさる
より 格助詞
係助詞
ことに ナリ活用形容動詞「ことなり」連用形
名詞
格助詞
なく ク活用形容詞「なし」連用形
仕うまつり ラ行四段活用動詞「仕へまつる」連用形「仕へまつり」ウ音便 謙譲語 本動詞 作者⇒御社 ~申し上げる
けむ 過去推量の助動詞「けむ」終止形
かし。 終助詞
いと 副詞
はしたなけれ ク活用形容詞「はしたなし」已然形
接続助詞
「立ち交じり ラ行四段活用動詞「立ち交じる」連用形
名詞
なら 断定の助動詞「なり」未然形
打消の助動詞「ず」連体形
名詞
格助詞
いささか 名詞
格助詞
こと 名詞
サ行変格活用動詞「す」未然形
仮定婉曲の助動詞「む」連体形
接続助詞
名詞
係助詞
見入れ ラ行下二段活用動詞「見入る」連用形
数まへ ハ行下二段活用動詞「かずまふ」連用形
たまふ ハ行四段活用動詞「給ふ」終止形 尊敬語 補助動詞 明石の上→神 ~なさる
べき 当然の助動詞「べし」連体形
断定の助動詞「なり」連用形
係助詞
あら 補助動詞ラ行変格活用動詞「あり」未然形
ず。 打消の助動詞「ず」終止形。
帰ら ラ行四段活用動詞「帰る」未然形
仮定婉曲の助動詞「む」連体形
格助詞
係助詞
中空なり。 ナリ活用形容動詞「中空なり」終止形
今日 名詞
係助詞
難波 名詞
格助詞
名詞
さし止め マ行下二段活用動詞「さし止む」連用形
接続助詞
祓へ 名詞
格助詞
だに 副助詞
サ行変格活用動詞「す」未然形
む」 意志の助動詞「む」終止形
係助詞
接続助詞
漕ぎ渡り ラ行四段活用動詞「漕ぎ渡る」連用形
ぬ。 完了の助動詞「ぬ」終止形。

君は、夢にも知りたまはず、

夜一夜、いろいろのことをせさせたまふ。