花山帝は「道隆は右衛門府の詰め所から出よ。道長は承明門から出よ。」と通って行く道筋までもお分けになられたので、(道隆・道兼・道長はそれぞれ)その通りにおでかけになりましたが、
品詞分解
「子 | 名詞 |
四つ。」 | 名詞 |
と | 格助詞 |
奏し | 謙譲語本動詞サ行変格活用動詞「奏す」連用形 |
て | 接続助詞 |
かく | 副詞 |
仰せ | 尊敬語サ行下二段活用動詞「仰す」未然形 |
られ | 尊敬の助動詞「らる」連用形 |
議する | サ行変格活用動詞「議す」連体形 |
ほど | 名詞 |
に | 格助詞 |
丑 | 名詞 |
に | 格助詞 |
も | 係助詞 |
なり | ラ行四段活用動詞「なる」連用形 |
に | 完了の助動詞「ぬ」連用形 |
けむ。 | 過去推量の助動詞「けむ」終止形 |
道隆 | 名詞 |
は | 係助詞 |
右衛門 | 名詞 |
の | 格助詞 |
陣 | 名詞 |
より | 格助詞 |
出でよ。 | ダ行下二段活用「出づ」命令形 |
道長 | 名詞 |
は | 係助詞 |
承明門 | 名詞 |
より | 格助詞 |
出でよ。」 | ダ行下二段活用「出づ」連用形 |
と | 格助詞 |
それ | 代名詞 |
を | 格助詞 |
さへ | 副助詞 |
分かた | タ行四段活用動詞「分かつ」未然形 |
せ | 尊敬の助動詞「す」連用形 |
給へ | 尊敬語補助動詞ハ行四段活用動詞「給ふ」已然形 |
ば | 接続助詞 |
しか | 副詞 |
おはしまし合へ | 尊敬語本動詞ハ行四段活用動詞「おはしましあふ」已然形 |
る | 完了の助動詞「り」連体形 |
に | 接続助詞 |
中の関白殿、陣まで念じておはしましたるに、宴の松原のほどに、
そのものともなき声どもの聞こゆるに、ずちなくて帰り給ふ。
現代語訳
中の関白殿=道隆公は、右衛門府の詰め所までは(恐ろしさを)がまんしていらっしゃいましたが、宴の松原あたりに、なんとも得体の知れないものの声々が聞こえるので、(おそろしくて)どうしようもなくて(帝のいる清涼殿の殿上の間に)お帰りになった。
品詞分解
中 | 名詞 |
の | 格助詞 |
関白殿 | 名詞 |
陣 | 名詞 |
まで | 副助詞 |
念じ | サ行変格活用動詞「念ず」連用形 |
て | 接続助詞 |
おはしまし(おはし) | 尊敬語本動詞「おはします」連用形 |
たる | 完了の助動詞「たり」連体形 |
に | 接続助詞 |
宴の松原 | 名詞 |
の | 格助詞 |
ほど | 名詞 |
に | 格助詞 |
そ | 代名詞 |
の | 格助詞 |
もの | 名詞 |
と | 格助詞 |
も | 係助詞 |
なき | 補助形容詞ク活用形容詞「なし」連体形 |
声ども | 名詞+接尾語 |
の | 格助詞 |
聞こゆる | ヤ行下二段活用動詞「聞こゆ」連体形 |
に | 接続助詞 |
ずちなく | ク活用形容詞「ずちなし」連用形 |
て | 接続助詞 |
帰り | ラ行四段活用動詞「帰る」連用形 |
給ふ。 | 尊敬語補助動詞ハ行四段活用動詞「給ふ」終止形。 |
粟田殿は、露台の外まで、わななくわななくおはしたるに、
仁寿殿の東面のみぎりのほどに、軒と等しき人のあるやうに